自己就農適性診断

就農に対する適正(16問)

  • 「農業を生涯の仕事とする」という、強い意欲と意志がありますか。
    アドバイス
    就農(農業を始めること)までには、栽培技術の習得の他に、農地や機械の確保、あるいは、暮らす住宅の確保など、大変な手間と労力が必要で、思うように進まないこともあります。
    様々な課題を乗り越えて就農するためには、何よりも「農業を生涯の仕事とする」強い意志と、苦労を苦にしない忍耐力が必要です。
  • 農業は肉体労働です。 健康・体力には自信があり、体を動かすことが好きですか。
    アドバイス
    農業は、豊かな自然の中で動植物を相手とする職業で、実際に行う作業はまさに肉体労働。心身ともに健康で体力を必要とする職業で、続けるには何よりも「体を動かすことが好き」であることが基本です。
  • 自然の生き物が好きですか。
    アドバイス
    屋外での作業がほとんどですので、蝶やトンボ、カエルやミミズ、作物を食べてしまうアオムシなどを毎日のように見かけます。そのため、カエルや虫が苦手な方、あるいは、花粉アレルギーの方、日光に強く反応してしまう方にはつらい仕事です。
  • 農業は繰り返しの作業が多い仕事です。コツコツと根気よく作業をやり抜くことは、苦になりませんか。
    アドバイス
    農業は、自然の中で日に日に生長する作物に喜びを感じる、やりがいのある仕事です。反面、単純作業の繰り返しであったり、夏の暑い時期に、広い畑でひたすらに土寄せや草かきを続ける作業などもあります。我慢強くコツコツと丁寧に、かつ手早く作業を行う仕事なのです。
    また、作業によって体の使い方や疲れ方が違います。野菜や果樹など、作物毎にどのような作業が行われているのか、農業体験などで事前に体験しておくこともお勧めです。
  • 他人とのお付き合いは、苦にしませんか。
    アドバイス
    農業は1人ではできません。特に、これから始める方は、経営が安定してからも多くの方とお付き合いをし、助けてもらわなければなりません。
    付き合いの範囲が広いと、役に立つ情報が入手できますし、特に、自分で販売したい方は、広い交友関係等のネットワークが大切です。
  • 「就農」とは、会社をおこし経営者となるのと同じということを認識していますか。
    アドバイス
    就農とは、会社を興して社長(経営者)となる事と同じで、自分のやる気と能力、やり方次第で会社は大きく成長します。反面、作物は何をどれだけ作って、どこに売って収入を得るか。そのためには、資本(機械、施設、資材、資金等)・労力・販路の確保、それらの管理(マネジメント)など、栽培技術の習得とともに、経営者としての仕事と責務が発生します。
    就農する動機やきっかけは様々ですが、農業を始める決断の前に、検討すべき様々な事柄を検討して慎重に決断しましょう。
  • 就農相談会に参加したり、インターネットや本・情報誌などを活用して、新規就農に関する情報を収集していますか。
    アドバイス
    就農前に必要な準備、承知しておかなければならない事柄など、事前に十分な情報収集と検討が必要です。長野県では東京・名古屋・大阪などで、「新規就農相談会」を実施したり、農業大学校研修部(小諸市)では「アグリターン研修(農業体験)」を行っておりますので、是非参加してください。(参加には、いずれも事前の予約が必要です。)
    その他、就農に関する情報については、インターネットや本なども多く出ておりますので、活用して情報収集してください。
  • 新規就農した先輩やベテラン農家に会って、体験談などを聞いた事がありますか。
    アドバイス
    長野県で新規に就農した先輩農家や経験豊富なベテラン農家の方は、今後あなたが経験するであろう多くの試練を乗り越えてきた経験を持っています。作物の栽培方法ももちろんですが、農業とはどんな仕事か、農家としての生き方、考え方など、ご自分の体験談を含め、経験者からの話はこれから農業を志す上で必ず参考になる事が多いと思います。実際の先輩農家さんから話を聞いて農業についてよく考えてみましょう。先輩農家さんは、お近くの県事務所、JAから紹介してもらえます。
  • 農業体験の場に参加した事はありますか。
    アドバイス
    就農を決める前には、農作業や農村の暮らしが自分に合っているのか確認する事が大切です。実際に農作業を行ったり農村に滞在して実体験をしてみましょう。

    長野県立農業大学校研修部(小諸市)では、一般の方も気軽に参加できる「アグリターン研修(農業体験)」を実施しています。長野県農業の紹介や、農業経験が無い方に農作業を行っていただき、農業を体で感じてもらう研修ですので、参加してみて下さい。
    【問い合わせ】 長野県農業大学校研修部 小諸市 TEL0267-22-0214

    その他、県内の飯田市や飯綱町、松川町には「ワーキングホリデー」という農業体験事業があります。農業に関心がある方や、農業に取り組んでみたい方と、農繁期の手助けを必要としている農家を結びつける「“援農”制度」です。3泊4日程度農村に滞在し、受け入れ先の農家で農作業のお手伝いを行います。参加したい方は、それぞれの市町の役場にお問い合わせください。
  • 農作業のつらさや厳しさについては、体験されて知っていますか。
    アドバイス
    農作業は、農作物の種類によって、腰や膝、腕が痛くなったり、体の疲れ方も違い、慣れない作業で、翌日などに筋肉痛になる方がほとんどです。
    また、手足や着衣は土などで汚れたり、日光で日焼けもします。農作業は肉体的にどれだけつらいのか、どれだけ汚れるものなのかなど、実際に体験して知っておく事が大切です。
  • 農業は多くの種類の作物や栽培方法など、様々なバリエーションがある事を知っていますか。
    アドバイス
    農業と一口で言っても、稲作、野菜、花き、果樹など多くの作物があり、作物によっては「露地栽培」やビニールハウスなどの「施設栽培」もあります。
    また、農薬や肥料の使い方によっても色々な方法に分かれ、通常の化学肥料、農薬を使用した栽培方法を「慣行(カンコウ)農法」といい、逆に化学合成された農薬や肥料を使用せず生産する農法を「有機農法」と呼んでいます。
  • 露地栽培と施設栽培、それぞれどのような栽培か知っていますか。
    アドバイス
    農地の上でそのままの自然条件で行う栽培を「露地栽培」、ビニールハウスや鉄骨ハウスなどの温室や施設の中で行う栽培を「施設栽培」と言います。また、果樹やアスパラなどで雨が当たらない様に屋根になる部分のみビニールなどで覆っている栽培もあり、雨除け(あまよけ)栽培などと呼ぶ事もあります。
    施設栽培は、気象の変化に左右されにくい反面、施設を作るため多額の経費がかかります。
  • 農家の平均的な1日の生活スタイルや、季節毎に異なる1日の過ごし方など、ある程度知っていますか。
    アドバイス
    農業は自然を相手にした仕事なので、天候や農作物の生長に合わせて作業を行うことになります。
    農繁期は日の出前から晩まで忙しく農作業に追われますが、農閑期はゆっくり時間を過ごすことができます。
    もちろん、畜産は年間を通じて家畜の世話が必要ですし、果樹では冬には剪定作業があります。他の作物でも、次の年の作付計画を練ったり、農機具の整備や作業小屋の片付けをしたり農繁期に出来なかったような作業も行います。
    なお、農閑期の冬期には、道路の除雪作業のアルバイトをしたりスキー場でスキーのインストラクターなど、農業以外で収入を得る人もいます。
  • 農業は気象災害や病虫害などにより、収穫や収入が計画どおりにならない場合もある事を承知していますか。
    アドバイス
    農業は、気象災害や病害虫の発生、野生鳥獣被害、農産物価格の変動などによる所得の減少など、自分の努力ではどうしようもないようなリスクがある職業です。これまでの努力が一夜にして無になってしまうことや、お金が必要な時期に所得が得られないこともないとは言えません。自然を相手にする仕事だからこそ、そのリスクを乗り越えていく、忍耐強く前向きな心構えが必要です。
  • 長野県の季節毎の気候や生活環境を経験・体感した事はありますか。
    アドバイス
    長野県は緑が豊かで美しい自然があり、夏は冷涼・爽やかな気候と言われますが、真夏には猛暑日になることもしばしばです。一方で、夜は気温が下がり、夏でも油断して風邪を引いてしまう方もいます。
    冬は、標高の高い地域では、-10℃を超える冷え込みもしばしばあり、窓が凍って開かなくなることもよくあります。
    これは、百聞は一見にしかず、体感してみることが早道で、特に、夏と冬に訪れてみるのがよいでしょう。
    また、大都市の生活と比べると、生活環境の面から不便な点もあります。
  • あなたが農業を行うことについて、ご家族は、農業の素晴らしさと厳しさの両面を理解した上で、同意をされていますか。
    アドバイス
    農業は、1人よりも2人以上での作業の方が格段に効率が良く、また、精神的に折れたときなどは、お互いに支え合うことができます。
    特に妻帯者の方は、ご自身とともにパートナーの方が、農業の素晴らしさと厳しさをよく理解して同意されることが大切で、夫婦が協力して農業に取り組むことが理想的です。
    また、農業生産が軌道に乗るまでは、パートナーが勤めに出て生活費を得ることも考える必要がある場合があります。
    就農を決断される前には、住まいや子供さんの教育など生活設計も合わせて、パートナーと十分に話し合って下さい。
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