先輩就農者インタビュー

リンゴ農家になって15年~新規参入から地域を守る立場に~
杉山明さん

リンゴ上田市

リンゴ農家になって15年~新規参入から地域を守る立場に~

杉山明さんがりんご農家を志し、8年間勤めた農業高校の教師を辞め、神奈川県藤沢市から上田市真田町に移住したのは平成19年のことだ。真田町には妻の那奈さんの実家があり、祖父母は農業を営んでいたが、父母は会社員だったため所有する農地はわずか。杉山さんは技術の習得も含めて一から農業に取り組む決意でやって来た。

平成19~20年の2年間、長野県の新規就農里親研修を受け、平成21年5月に独立。当時は国の新規就農対策の給付金事業はなく、研修中から経営が安定するまでの間、那奈さんが勤めに出て生計を支えた。

新規参入者は誰もが農地の確保に苦労するが、最初の農地は里親さんを縁として借りることができた。杉山さん曰く「一生懸命やっていればその姿を必ず誰かが見ている。地域の皆さんに自分の存在を知ってもらうこと、信用される自分になることが大事。そうすれば農地は自然と集まって来る。」とのこと。その証拠に、50aからスタートしたりんご栽培は、現在は3ha、30品種にまで拡大し、那奈さんと二人三脚で農業を行っている。

杉山さんが今、見据えていることは、地域の子供達に農業体験を通じてその魅力を伝え、農業を職業選択の1つとしてもらうこと。もう1つは自分を受け入れてくれた真田地域の農業・農地を今度は自分が守っていくこと。そのため、新規就農者を受け入れる地域の協力体制を構築中だ。

新規参入から15年、今度は参入者を受け入れる立場となって活躍する杉山さんの姿を見て、自分のあるべき未来像と重ねる就農希望者はきっと少なくないだろう。

杉山さんご夫婦のインタビュー動画はこちら(上田市行政チャンネル

(作成 令和5年8月)

PROFILE

杉山明(すぎやまあきら)さん

神奈川県出身。平成21年に2年間の長野県里親研修を経て就農。現在リンゴ専作経営で、約3ha、約30品種を栽培。早生種:シナノリップ、つがる、中生種:秋映、シナノスイート、晩生種:シナノゴールド、ふじを中心に栽培。地域の中核的リンゴ栽培農家として、地域農業に寄与している。

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