
野菜| 松本市
農業法人に就業して、自然と共に生きる
(株)むぎわらぼうしに入社して2年目の齋藤久仁明さんは、群馬県出身の47歳だ。 東京・大阪・名古屋で22年間の教職を経て農業に転職した経歴を持つ。
勤務する(株)むぎわらぼうしは長野県松本市にある。平成19年設立で株式会社の農業法人としてはベテラン組だ。すいか (R6:5.7ha)、 白ネギ (1.2ha)、 りんご (1ha)、 いちご (25a)を栽培し、JGAPやSDGsにも取り組む先進的な法人だ。
齋藤さんが(株)むぎわらぼうしに就業するまでのステップを追うと次の通りだ。
Step① 教員の仕事に区切り、これからの「40年の活き方」を考える。
Step② 生涯現役の職として、根源的な「農業」に魅力を感じる。
Step③ 農業を具体化するため「デジタル農活信州」のイベントに申し込む。
Step④ オンライン就農相談で「就業フェア長野」を紹介され参加をする。
Step⑤ 就業フェアにて「株式会社むぎわらぼうしの大月社長と面談」を得る。
Step⑥ 「農業法人」「むぎわらぼうし」「すいかの栽培」に興味を持つ。
Step⑦ 就職面接ののち入社、現在に至る。
中高年になると、ふと今後の人生を考えることはあるだろうが、多くはそのまま終わってしまう。しかし齋藤さんは本気で、かつ行動力・実行力があった。だからこそ、人と人との出会いや縁に恵まれたと言えるのではないだろうか。
齋藤さんは農業法人で働いてみて、農業とは、①季節に合わせた自然な労働により健康な体と健全な心になれる、②手をかけたことがそのまま結果に結びつく、③天候や病害虫などに臨機応変な対応が必要(奥が深い)、などを実感している。また、農業法人で働くメリットとして、①会社員である、②個人ではできない規模の経営や多品目生産に携われる、③繁閑はあるが年間を通して仕事があるなどの挙げてくれた。
農業法人での就業を検討している皆さんへ、齋藤さんは次のように語ってくれた。 「農業ほど日々充実する仕事はありません。農業へ就業といっても、農業法人に就職、個人事業主として新規就農、研修制度等様々です。そして本当にご自身が選択し就く仕事なのか熟考してください。農業には忍耐と臨機応変が必要。結果は短期間では出ません。準備万全でも、結果が出るまでは不安や疑問がつきもので不測の事態もあります。農業法人では、会社役員をはじめ、上司、先輩、同期、後輩がいます。その中で情報を共有し、問題提起から対策を練ることができます。そうした積み重ねの上に結果があり、達成感や充実感を得て共有することも出来ます。もしそれを望むのであれば、農業法人を選択してください。」
(作成 令和7年4月)
「農業法人等就業フェア 農業法人就業セミナー」(R6.1.11開催)にて齋藤さんが発表した資料はこちら
PROFILE
齋藤久仁明(さいとう くにあき)さん
神奈川県出身。47歳。22年間の教職を経て、長野県に移住し(株)むぎわらぼうしに就業して2年目。社内では主に白ネギ栽培を担当。(株)むぎわらぼうしで「農業人」として定年まで働くこと、定年後は生涯現役を目標に農業を続けることを目指す。